少し早足で玄関に向かい返事をしながら扉を開ける。
「はぁーい」
開かれた扉の前には不機嫌そうな尚が立っていた。
「おはよ。って何で機嫌悪いのよ」
そう聞いてみると、尚は溜息をつきながら答えた。
「お前。確認してからドア開けろよ」
って怒ってるのはあたしに対してだったの。
「ごめん、次から気をつけるよ」
そう言って玄関に置いていたバックを手にとって、部屋を出た。
エレベーターで下へと降りると、目の前に大型のバイクが止まっていた。
そのバイクに普通に跨る尚を見てあたしは聞く。
「これ……尚の?」
指を指しながら聞くと、尚はキョトンとしながら頷いた。
「俺しかいねぇだろ。ほら後ろ乗れ」
そう言ってあたしにピンクのヘルメットを被せた。
あたしは素直に後ろに跨って尚に聞く。
「えっと……どこに捕まればぁ」
そう聞くと尚は後ろを振り向きながら言う。