って言った。
すると尚はフッと笑いながらあたしを抱きなおした。
「嘘だよ。もっと食え」
その命令口調も尚らしくていい。
何気ない会話をしているとあたしの家の前まで来た。
「ありがとう。もう大丈夫だから」
そう言って降ろしてもらおうとしたのに、尚はあたしを降ろしてくれない。
あれ……?
「尚?」
小さな声で名前を呼ぶと、尚は少し俯いた。
「いや。ホントに歩けるか?」
そう言ってゆっくり降ろすとあたしを見下ろした。
あたしは立てる事を確認すると、尚を見上げて頷いた。
「大丈夫」
そう言うと尚はフッと笑ってあたしの頭をクシャッと撫でた。
「明日……迎えに来てやるから家で待ってろ。それからできるだけ1人で外に出るなよ」
その表情は真剣そのものだった。
だからあたしは頷いた。