4人がいなくなって、安心したあたしはその場にストンと座り込んだ。
成月は倒れこんでいる佑騎の元へ駆け寄っていく。
あ……あたしも佑騎のとこに行かなきゃ。
そう思ったけど、腰を抜かしてしまって立ち上がる事ができない。
どうしよ……。
立てない。
そう思っていると急にあたしの体は宙に浮いた。
「え?」
思わず間抜けな顔をしていると、尚があたしを抱っこしている。
いわいるお姫様抱っこってやつ。
間近にある綺麗な尚の顔を見て思わず顔を赤くしながら抵抗した。
「っちょ!降ろしてよ!」
じたばたしてながら尚に言うと、尚は意地悪な笑顔を見せながら言った。
「何?……腰抜かして立てねぇんだろ?」
「う……」
何も言えないあたしは、顔を赤くしながら睨んだ。
悔しいっ。
何も言えない自分が!
いつでも余裕を見せる尚に。
絶対に顔赤くなってる……。