すると尚は蹲っている4人に冷たい視線で見つめながら言い放った。
「次……俺の連れに手出してみろ。そん時は命ないと思え。それから……」
尚は目を瞑りながら溜めた。
そしてもう一度4人を見つめて言った。
「江連に伝えておけ。お前がそのつもりなら、俺はいつでも受けて立つ!」
普段声を荒げる事がない尚が力強い声で言い放つ。
その迫力に負けた4人は震えている。
……すごい。
尚ってホントにすごい人なんだ。
尚の存在の大きさに……。
あたしはすごく尚が遠い存在なんだと思ってしまった。
すると渡里君が4人の前にしゃがみ込んで口を開いた。
「……いつまでここにいるつもり?さっさと失せな」
びくっ。
いつもニコニコしている渡里君の顔からは笑顔が消えていた。
その表情を見てあたしは思わず後ずさりをしてしまった。
「っ……お前ぇら!行くぞ!」
頭の声でゆっくりと立ち上がった4人は去って行った。