この人……どんな顔をして言ってるの?
あたしの前に立っているから顔を見る事はできない。
でも、クラスの人達はその表情を見て震えている。
背中を見てるだけで分かる。
こいつ……相当ヤバイ。
すると絡んできた男が震えた声で言った。
「悪かった……」
すると宮藤はあたしを見下ろしてニコッと笑って再び男を見た。
「分かればいいんだよ。……分かれば」
少し……みんなの緊張の糸が切れた気がした。
すると宮藤は再びあたしを見て微笑むと、口を開いた。
「君……名前何ていうの??」
「え?」
突然の事であたしは身体をビクッとさせた。
すると微笑みながら宮藤はあたしを見る。
「名前……教えて?」
あ…。
「櫻井……美麗」
応えると宮藤はニコッと笑った。