「何で1人で居ちゃいけないの?」
煙草を吸っている尚を見上げながら聞いてみると、尚は何も言わずにあたしを無表情で見下ろした。
「お前、自分の立場考えろよ」
え……?
立場??
「前3年と喧嘩した時。お前は俺等側に居た。それをあいつ等に見られたんだぜ?あいつ等はお前が俺達誰かの女だと思ってる。そうなったら、俺達を気に食わない奴は誰を狙う?」
……。
「……あたし?」
そう首を傾げながら答えると、尚は頷いた。
「っそ。間違いなく女のお前が狙われる」
だから尚は……傍に居ろって言ったんだ。
納得したあたしは俯いた。
あたしが無防備になってる時。
尚達はいつも傍に居てくれてたんだ。
「何か……心配かけてごめん」
そう言ってあたしは軽く頭を提げた。
「別に謝られる事じゃねぇよ。つか、お前が謝んな。謝るのは俺の方だろ」