5人でカラオケで歌いまくって2時間が経った。
でも一向に帰ろうとする気配はない。
みんな……すごいな。
あたしはもう限界が来て歌うのをやめた。
何か……疲れたな。
トイレ行くついでに外の空気吸って来ようかな。
そう思ってあたしは部屋を1人で出た。
ふぅ……。
外に出て大きく腕を伸ばす。
辺りはすっかり暗くなっている。
携帯を見てみると、画面の時計は8時を過ぎている。
ま……あんだけ歌ってれば暗くもなるよね。
すると後ろから低い声がした。
「お前……1人になるなって言っただろ?」
振り返ると煙草を銜えながら不機嫌そうな尚が立っていた。
あら……ご機嫌斜めみたい。
あたしは尚に気付かれないように苦笑いした。