何故かあたしも着いてきてしまったカラオケ。



ずーっとあたしを成月睨んでるんですけど?


渡里君はあたしの右横で鼻歌唄って曲選んでるし。


ふと左隣見ると、尚が黙って欠伸してるし。



帰りたい衝動に駆られてるんですけど。



はぁ……。



溜息をついていると、渡里君があたしの顔を覗き込んでくる。



「美麗ちゃぁーん?何か飲む?」



ってわぁ!


顔!近い!



あたしは気付かれないように顔を少し離した。



「じゃぁ……オレンジジュースにしようかな」



そう答えると、渡里君はニコッとした。



あぁ……よかった。


離れた事気付いてないみたい。



あたしはホッとして胸を撫で下ろした。