頭が混乱してる……。
渡里君の過去を聞いて。
渡里君の気持ちを聞いて。
あたしを好きになっていいかなんて……答えられない。
あたしは、どうしたらいいのかな。
重い足取りで学校に向かうと、笑顔で渡里君が声をかけてきた。
「美麗ちゃん、おはよ♪」
「あ……おはよぅ」
戸惑いながらも挨拶をすると、渡里君は満面の笑みを見せた。
……何か変わらなさ過ぎて調子狂う。
渡里君だって昨日と変わりないし。
変に意識してるこっちが恥ずかしくなってくる。
駄目だ……。普通にしよう。
そう心に決めた時……。
渡里君は口を開いた。
「ちょっとお願い聞いてくれない?」
その目は優しかった。