渡里 Side


全部オレは美麗ちゃんに包み隠さず話した。



美麗ちゃんはオレの全てを受け止めてくれた。



気が強いけど優しいところとか。


華奢で小さな体とか。


笑いかけてくれる可愛い笑顔とか。


高い声とか。



オレのものにしたいって思った。



この子ならオレを見てくれるって思ったから。


受け止めてくれるって思ったから。



どんな時でも守ってあげたいって思った。



抱きしめていた美麗ちゃんをゆっくり放して、オレはフッと微笑んだ。



「返事は……まだ聞かないね」



そう言ってオレは屋上を後にした。