「でもさ」



そう言ってあたしの両腕を掴んで立たせると、尚はあたしを見下ろしてフッと笑った。



「俺やっぱり攻める方が好き」



そう言ってあたしの顎をクイッと上に上げて唇を塞いだ。



いつも以上に深くて、息が続かないくらいだったけど。



でもすっごく甘くて、優しくて。



とけてしまいそうなキスだった。



「ん……」



何分かして唇を離すと、尚はあたしの手を握って歩き出した。



「ねぇ?尚」



「ん?」



「クリスマス一緒に過ごそうね」



そう言うと、尚はクスッと笑った。



「俺と過ごさないで誰と過ごすんだよ」



「お正月もね?」



「あぁ」



「春休みも夏休みも……」