するとその場に尚がしゃがみ込んでしまった。



「え……尚?」



尚を見下ろしながら名前を呼ぶと、尚は自分の手で顔を覆った。



「反則だろ……今の」



そう言って溜息をついた。



手で覆っている尚の顔は少し赤く見えた。



もしかして……照れてるのかな。



そう思ってあたしはしゃがみ込んでいる尚の前にしゃがんだ。



「美麗からは……初めてだな」



そう言って微笑む尚。



「……うん」



俯きながらあたしは頷いた。



ホントは恥ずかしくてできないけど、尚が愛しくて体が勝手に動いた。



尚が好きで……。



尚が大好きで……。



尚が愛しくて……。



それだけだった。



すると尚は深く息を吐いて、口を開いた。