「最悪……」



そう言ってあたしは俯いた。



ニヤけてる顔見られてたなんて。



すると尚は笑いながら言った。



「まぁその顔を見てる時は俺も嬉しかったけど」



「え?」



また顔を見上げると、尚はフッと笑った。



「喜んでくれてんだなって思えたから」



「当たり前じゃん!プラスチック製の指輪だとしても嬉しいよ」



そう言うと尚は大笑いした。



でもね?



ホントの事なんだよ?



物じゃなくてもいいの。



言葉でもいいの。



ただ……その想いの証をくれればそれでいいの。