だって……。
ちゃんと咲ちゃんに甘えてるんだなって思えたから。
尚もあたしに素直に甘えてくれてる。
普段の尚には考えられないくらい可愛くなって。
想像できないくらい子供になる。
その姿を見て、あたしは母性本能が擽られてその甘えに答えたくなる。
頭をよしよしって撫でたくなるし。
細い指に絡めて手を繋いであげたくなるし。
広い背中に腕を回して抱きしめたくもなる。
「美麗ちゃんの尚君は……甘えてくるの?」
「え!?」
すっとんきょうな声を出してあたしは慌てて咲ちゃんを見つめる。
「何でいきなりそんな事聞くの!?」
そう大声で言うと、クスクス笑いながら咲ちゃんはあたしの質問に答えた。
「尚君って、大人びてて落ち着いてて紳士って感じだけど……実際どうなのかなぁって思って」
あたしは恥ずかしくなって少し俯く。
「まぁ……甘えてくるよ。最近それを知ったばっかだけど」
尚が甘えん坊だって事知ったのホントに最近だし。
「へぇ~愛されてるね」