「咲」



2人で話していると、後ろから咲ちゃんが呼ばれた。



「あ、渡里」



笑顔になる咲ちゃんを見つめていると、渡里君は心配そうな表情で咲ちゃんを見つめる。



「体調は大丈夫?」



そうだよね。



咲ちゃんにとっては久しぶりの学校だし。



ホント渡里君は優しいんだな。



そううっとり見つめているあたしとは裏腹に、咲ちゃんは少し呆れたような顔をしている。



「ホントに渡里は心配性なんだから……」



「心配してやってるのにその言い方はないだろ?」



って……え。



喧嘩??



「だって渡里、心配しすぎなんだもん」



これってあたしが止めるべきなのかな。



「ちょっと2人共!仲良くしようよ。ね?」



宥めようとそう言ったのに。



「だって渡里……お母さんみたい」



「お前な……そんな事言うんならもう心配なんかしねぇよ」