「そんな事ないよ~」



照れ笑いをしながら手を振ると、後ろからあたしの肩を思いっきり誰かに叩かれた。



バシ。



「痛っ!」



バッと振り返ると、そこには成月が立っていた。



「おいおい……お前等。あそこで狂犬が睨んでんぞ」



そう言って首で指す方を見ると、



あ……。



尚がロッカーに足を組んで座りながらこっちを睨んでいる。



しかもすっごい威圧感で、クラスの人達すっごい脅えてるから。



「あれ?オレにヤキモチやいてんのかな?」



そう面白がっている渡里君。



「面白がってる場合じゃないでしょ」



そうツッコミを入れるあたし。



最近……尚はかなりの嫉妬深いって事を知った。



あたしは溜息をついて、尚の方に歩み寄る。



「尚……」