初デートも無事終わり、また前と同じ高校生活が始まる。
尚も全然変わらないけど。
いつもと変わらないけど。
あたしは右手の薬指に光るシルバーリングを見つめる。
「……ふふ」
なーんて、自分じゃ考えられない笑い声が漏れる。
だってだって……。
指輪見てるだけであの時の事思い出しちゃうんだもん。
「何笑ってるの?美麗ちゃん」
!!!!
突然あたしの顔を覗き込んできた渡里君。
「え!?いや、何でもない」
驚いてあたしは慌てて手元を隠す。
別に……見られちゃいけないって訳じゃないんだけどさ。
やっぱ恥ずかしいし。
顔を赤らめて俯いていると、渡里君は思いだしたように手を叩いた。
「そうだ。美麗ちゃんに報告があるんだ」
「え?」