「あと何分ぐらいで着きそうなんだ?」
その尚の問いかけに答えたのは、教室に入ってきた渡里君だった。
「今!!!!」
ガシャアアアン!!!!
「きゃぁ!!」
渡里君が答えた瞬間窓ガラスが割れた。
飛び散る破片にあたしは身体を小さくする。
その瞬間、あたしの身体は尚の大きな身体によって包まれた。
あたしを包むように優しく守ってくれた尚にドキッとしてしまう。
すると尚はあたしを見下ろして真剣な表情であたしに言った。
「お前は俺の後ろに居ろ」
そう言ってあたしの頭をくしゃっと乱暴に撫でると、あたしから離れて立ち上がった。
「よぉ。桐生。お前をトップから引きずり落としに来たぜ」
3年の男が6人。
金属バットを持って不気味に微笑んでいる。
あっちは3年。
武器も持ってるし、2倍の人数だし。
勝ち目ないんじゃ……。
そう不安になっていると、3年はあたしの存在に気付いた。