尚 Side



美麗に腕枕を促してしばらくすると、スースーと寝息が聞こえてきた。



渡里や佑騎が好きになった美麗を今、俺が独占してる。



サラサラな髪とか。



ピンクの頬とか。



柔らかい唇とか。



大きなその瞳とか。



細い体とか。



華奢な肩とか。



全部を……俺が独り占めしてる。



好きな女と触れ合うって事が。



好きな女と気持ちが通じ合うって事が。



こんなにも嬉しくて、幸せなものだなんて知らなかった。



俺の胸で無防備な寝顔を見せてくれる事が。



その細い腕を俺に絡んでくれる事が。



こんなにも俺を安心させてくれるものだなんて知らなかった。