佑騎の覚悟を。
佑騎の想いを。
佑騎の勇気を。
俺のこの手で摘み取ってしまった。
俺を慕ってくれていたのに。
こんな俺を信頼していてくれていたのに。
俺は裏切ってしまった。
「美麗の事……ホントに悪かったと思ってる」
そう言って俺は頭を提げた。
すると佑騎は慌てたように、俺の両肩を掴んで頭を上げさせた。
「やめてくださいよ!おれの憧れの尚さんは……そんな事しないでくださいよ」
そう言って俺の肩から手を放して、腕を組んだ。
「俺の憧れである尚さんが。俺の信頼してる尚さんが。本気で好きになった女がたとえおれの好きな女でも、おれはあんただからたくせるんだ」
そう言って満面の笑みを見せた。
「そうか……」
痛いほど伝わってきた。
佑騎の想いが。