「え?」



俺は凛の顔を見つめる。



想像もしなかった言葉。



「琴羽だってお前を恨んじゃいねぇ。あいつだってお前に感謝してる筈だ。だから俺もお前を恨まないし、感謝するよ」



そう言われても、俺はちゃんと言おうと決めた言葉を口にする事にした。



「俺は……お前の妹を守るって決めた。でも俺があいつの気持ちに答えた時点でそれは不可能だったんだ」



「何でだ?」



「俺があいつを彼女にする事であいつは俺を気に食わない奴に目をつけられるって事は目に見えてたからだ」



「……」



「あの時の俺は餓鬼で……そんなの何とかなるって流してた」



「……」



「凛……お前は俺を恨まないって言ったけど。俺はそれが1番の罪だと思ってるんだ」



俺があまりにも子供で……大切な奴を守れなかった事。



俺があまりにも頭がカラで……考える事ができなかった事。



あの時の俺の無力さが罪なんだ。



「でもお前は、美麗を自分の女にした」



そう言って凛は俺を見つめた。



「それはどうしてだ?」



「それは……俺があの時より、人を好きになったから」