俺の事を嫌いなあいつ。
琴羽に好かれて、付き合っていた俺を江連はいつも睨みつけていた。
俺はただ……そんな目で俺を見る奴に関わりたくなかった。
いつかは決着つけなきゃいけないってのは分かってた。
ただお互いその決着をどうつけるかっていうきっかけを探してた。
「悪いな」
そう俺は江連に呟いた。
美麗に手を出した事。
それだけは許せない。
俺の拳が江連の腹にヒットした瞬間、江連はその場に倒れこんだ。
するとその教室の外から懐かしい声がした。
「てめぇ等何してんだ」
銀色の髪。
鋭く冷たい目。
でかい身長。
その姿はあの時と変わっていなかった。
「……凛」