「……悪かった。怖かっただろ?」
掠れた声でそう耳元で囁かれて、あたしは尚の背中に腕を回した。
すると尚はあたしの腕を優しく解いて、フッと優しく微笑むと力強い言葉をくれた。
「もう大丈夫だ」
その声を聞いてさっきの不安は一気に吹き飛んだ。
そして尚はあたしにブレザーを羽織らせると、立ち上がって江連を睨む。
「江連今まで好き勝手してくれたな」
「っは。やっとお前もおれから逃げるのをやめたか」
馬鹿にしたように尚を笑うと、江連は首を寝かせた。
するとそれが合図だったように、教室に大勢の桜蘭の生徒が入って来た。
「こっちはお前等の歓迎の為に取って置きの会場を用意した」
こっちは4人しかいないのに……。
そう思っていると、渡里君と成月と佑騎は尚の前に立った。
「尚ー!雑魚はおれ等がやるからお前はそこで待ってろ!」
成月はそう言って笑顔を見せた。
「……行け」
江連がそう言い放つと、大勢の連中は3人に向かって走り出した。
「ああああああ!!!!」