大声で尚の名前を叫んだ。
尚!!
助けて……。
心の中でそう叫ぶ。
瞳からは大粒の涙が溢れてきて、視界をぼやけさせる。
そんなあたしなんて気にせず、江連はあたしのYシャツのボタンを第3ボタンまであけて胸元に唇が触れる。
……いやっ。
「早く尚助けに来てよー!」
ガタン!!!!!!
そう叫んだ瞬間、部屋の扉が乱暴に開かれた。
驚いてそっちに目を向けると、そこには愛しい人の姿があった。
「おい江連……俺の女に何してんだよ」
冷たい目で江連を見つめて尚は恐ろしい位低い声でそう言った。
そしてゆっくりとあたし達の方に歩み寄ってくると、あたしの腕を掴んでいる江連の腕を掴んだ。
「返してもらいに来た」
そう言って軽々と江連の手を放させて、あたしの抱き上げた。
そして渡里君や成月、佑騎の元に戻ってあたしをその場に座らせた。
「……尚っ」
そう溢れてくる涙を堪えながら名前を呼ぶと、尚はあたしを優しく抱きしめた。