馬乗りになって死んだ目であたしを見下ろして江連は言った。
「あんたさ……桐生に抱かれた事あんだろ?」
そう言ってあたしの髪を指でなぞる。
両腕を掴まれて抵抗もできない。
どうしよ……こいつ力が強すぎて振りほどけない。
するとあたしの首筋に顔を近づけてきて江連は囁いてきた。
「お前抱いたら……桐生は何て言うだろうな?」
その声、その言葉を聞いて寒気がした。
いやらしくなぞるようにあたしの体を見つめて、江連はニッと笑った。
「いや……」
こんな奴に抱かれたくない!
こんな奴に尚のぬくもりを消されたくない!
「尚!!!!」