「江連は琴羽が死んだのは、尚のせいだと思ってる。尚は琴羽が死んだのは、自分のせいだと思ってる」
渡里君の話を聞いて、あたしの目から涙が溢れてきた。
そんな……辛い過去を背負っていたなんて。
そんな……悲しい事隠してたなんて。
「前……美麗ちゃんち行った時、美麗ちゃん。尚の髪の事聞いてたよね?」
その時の事を思い出した。
「あの色はね。償いきれない想いの表れなんだ」
「う……あらっわれ?」
涙を堪えきれずにいると、渡里君はあたしの頭を撫でてくれた。
「そう。自分の失態を忘れないようにって、尚は琴羽の好きだったミルクティー色に髪を染めたんだ」
そうだったんだ。
そんな理由があったんだ……。
あの時、言葉を濁した理由は……これだったんだね。
「うっ……」
溢れてくる涙は止まってくれない。