“尚”。
また…その名前が出てきた。
「尚???」
そう聞き返すと、渡里君は教えてくれた。
「尚は1年でトップになった実力者だよ。それが気に食わない奴等とことん潰してずっとトップを維持してる」
それって……。
ホントに凄い事だよね?
だってここは有名な不良高校。
そこを仕切ってるなんて。
「ま、最近はほとんど学校来てねぇけどな」
そう言って床に寝転がる成月。
“尚”……。
みんながその名前を聞いて震え上がるのは納得できる。
すると意地悪に笑いながら成月は言った。
「まぁ、お前も尚が学校来た時は注意しろよ。あいつに逆らったら何起きるか分かんねぇから」