喧嘩は10分ほどで決着がついた。
オレと尚は2人残ると、尚は満足そうに微笑んだ。
「お前は俺と同じものを持ってる気がする」
…………。
あの時、尚はそう言ってた。
その同じものが何かは今も分からない。
でもあの時思ったんだ。
きっと尚は自分の存在の大きさに気付いてる。
オレも……成月にも勝ち目がないくらいの大きさ。
誰も手に入れる事のできない風貌。
尚。オレは前からずっと……お前とオレとには大きな差があるって感じてた。
それはオレがどんなに努力したって敵わない。
生まれ持った実力の差だ。
ねぇ……尚。
「オレ……いつかお前に勝てるかな」
次は……負けない。
だから今回は美麗ちゃんを幸せにしてあげてね。