「あたし……ごめん。自分の事ばっかり考えてて」
そう言ってまた大粒の涙があたしの目から零れた。
それを尚の長い指がすくってくれる。
「人は欠点があって当たり前なんだ。それを支えあうのが恋人ってもんだろ?」
尚はあたしの頬を撫でる。
「だから俺がお前を支えるから。お前も俺を支えてくれ」
その言葉はあたしの胸に強く響いた。
尚……人には必ず欠点があるっていうけど、尚には欠点が見つからないよ。
「尚……好き」
「あぁ」
「ちゃんと……渡里君にも佑騎にも自分の気持ち伝えるから」
「あぁ」
「もしあたしの答えで関係が崩れても……元に戻るよね?」
そう聞くと、尚はフッと笑った。
「あったりまえだろ。馬ー鹿」