そう呟きながらあたしをバイクの後ろに乗せた。
梨佳さんは……尚のお姉さん。
恋人じゃないんだよね。
何か、今まであんなに悩んでた自分が馬鹿みたいに思えてきた。
思わず自分が馬鹿すぎて笑えてきた。
でもそれと同時に涙も込み上げてくる。
「……っ」
尚にばれないように我慢してたけど、涙は止まらなくて結局尚にばれてしまう。
「何泣いてんだよ」
そう言ってあたしの頭を困ったように撫でてくれる。
「……安心しちゃって」
お姉さんだったって事に。
こんな事実だったのなら、もっと早く勇気出して聞けばよかった。
すると尚は呆れたように口を開く。
「お前……まさか、梨佳の事勘違いしてたのか?」
う……鋭い。
でも素直に泣きながら頷く。
するとあたしの頭の上から深い溜息が聞こえてきた。