「あれぇ?赤くなっちゃってどうしたのー?」
梨佳さんに嫉妬してた、なんて言える訳ないよーー!!
すると俯いているあたしを尚は自分の後ろに隠すようにすると梨佳さんに口を開く。
「もうお前帰れよ。俺ら学校行くんだから」
「尚が学校行ってるの!?」
って梨佳さん何驚いてるんだろう……。
尚の背中にすっぽり隠れているせいで視界に入ってこない梨佳さんを尚の腕の間から覗き込んだ。
「へぇ……尚がねぇ」
するとそう言いながら梨佳さんはあたしを見て意地悪な笑みを浮かべている。
え!?
その表情を見てキョトンとしていると、梨佳さんはフッと笑いながらあたしに言った。
「まぁ……美麗ちゃん!うちの尚、よろしくね」
「え……ぁ、はい」
戸惑いながらも返事をすると、梨佳さんはあたしの返事に満足そうに去って行った。
何か……梨佳さんがいなくなると、嵐が去ったみたいに静かになる。
そう思っていると、尚はあたしの方に振り向いて溜息をついた。
「ったく……あいつは」