すると女の人は、頬を膨らませながら尚を睨む。
「何よー。お姉ちゃんに向かってその口の聞き方は」
え……?
「姉貴だろうが関係ねぇよ」
…………????
あたしは呆然としながら女の人を指差した。
「尚の……お姉さん?」
そう口にすると尚は、
「そうだけど?」
って、“何でそんな当たり前の事聞くんだよ”って顔をしている。
するとお姉さんはニコッと微笑んだ。
「初めまして。尚の姉の……桐生梨佳です」
あの日……。
お姉さんを彼女と勘違いしてたの?
あたし……お姉さんに嫉妬してたの!?
一気に顔が熱を帯びるのが分かる。
すると顔を赤くしているあたしを不思議そうに梨佳さんは見つめる。