「お前の背中はちっちぇんだ。何でも背負おうなんて思うんじゃねぇ」
ねぇ、凛。
あなたはあたしの全てを知っているように思えるよ。
すると凛はまたあたしの頭をポンポンと叩いた。
「お前は俺みたいになるなよ……」
それだけを言うと、凛はあたしに背を向けて歩き出した。
遠ざかっていく凛の大きな背中を見つめる。
凛の表情は、どこか尚に似ていたような気がした。
自分にしか見えない遠くのものを見つめているような瞳。
2人の瞳が同じものを見ているように感じた。
尚の見ているものは何なの?
やっぱり……気になるよ。