成月 Side



「美麗!」



走って行く美麗を大声で呼ぶ。



名前を呼んだけど美麗は振り返らずに去って行った。



くそ!



おれは渡里と佑騎の胸座を掴んだ。



「何でこんな事しかできねぇんだよ!」



どうしようもない気持ちになっておれはその気持ちを2人にぶつける。



「もっと…。美麗が好きなら、もっとあいつの事考えてやれよ!あいつの身にもなれよ!」



美麗を本気で好きなら……もっとあいつの気持ち考えてやれよ。



きっと……美麗は、おれ達が衝突する事が1番嫌な筈なんだから。



きっと……おれ達が前みたいに戻る事を望んでいる筈なんだから。