そう言って笑顔を見せると、渡里君は切なそうに笑った。



「美麗ちゃんって尚の事好き?」



え。



渡里君の言葉にあたしは固まった。



渡里君の顔を見上げると、無表情でその表情を見て恐怖心を覚えた。



「渡里く……ん?」



ジリジリと近づいてくる渡里君から逃げるように、あたしは後ずさりをする。



「好き?嫌い?」



そう言ってあたしから視線を逸らさない渡里君。



後ずさりしてたあたしもとうとう壁に追い込まれて逃げられなくなった。



ひんやりとした壁にあたしを追い込んだ渡里君は、あたしの顔の横に両手をついてあたしが身動きとれないようにした。



真っ直ぐとあたしを見つめる瞳……。



その視線から逃れようと、あたしは視線を逸らす。



「渡里君……離れて」



そう震えた声で言うけど、渡里君は動こうとしない。



どうしよう……。



すると渡里君は、あたしに顔を近づけて呟いた。



「美麗ちゃん……オレを好きになってよ」