ボーっとしながら目を擦ると、成月はあたしの顔を見つめて眉間に皺を寄せた。
「お前何でここで眠ってたんだよ」
「成月に聞きたい事あって……眠ってたから待ってようと思って」
そう答えると、片眉を上げる成月。
「聞きたい事?」
“尚とあの女の人ってどういう関係なの?”
そう聞く筈だったけど。
そう聞きたかったけど。
何か……やっぱり聞きにくいな。
やっぱり怖い。
もし『彼女』なんて言われたら……。
そう思うと怖くなって聞けなくなった。
「やっぱいいやっ。寝たらどうでもよくなった」
そうあたしは笑顔で言った。
どうでもよくなんかないけど、やっぱり怖くて聞けないよ。
根性ないなぁ……あたし。
そう思いながら笑顔で成月を見ると、成月はニッと笑ってあたしの頭を乱暴に撫でた。
「そっか。でも何かあったら言えよ?聞いてやっから」
そう言って成月は変な詮索もしないで笑ってくれた。