近くの席の女子達が、ヒソヒソと喋りだした。

少し聞こえてくる声。

「何、あの子?」

「意味わかんなくない?」

「ウザー…。」

こんな言葉ばかり。

これもいつものこと。

中学生の頃も、こんな事はしょっちゅうあった。

だからあたしは慣れていた。

別にどうでもよかった。

友達居なくても、生きていけるし。

本当は陰愚痴を言われる度に、アユは傷ついていた。

友達がいないことほど、学校がつまらない事はない。

そして入学式が終わり、アユは1人でとぼとぼと家へ向かって歩く。