アユはそんなに馬鹿騒ぎするような性格ではなかったけど、決して暗くはなかった。

まわりのみんなが『アユ』と呼んでくれている間は…。

誰か1人がその言葉を言えば、アユは変わった。

まるで表情のない人形のような顔つきで、授業中であろうと黙って出ていった。

何度かそれが繰り返されると、いつの間にかアユは学校へ来なくなってしまうのだった。

他の学校へ行ってしまうのだった。