あたしは答えた。


「まさか。ヤダ~阿部くん!やめてよ~アッハハ。」


「…そうだよね~。アイツいい奴だけど、彼氏にするには
うるさすぎだよな~!」


「ないない!…絶対。」


自分で言ってて
泣きそうになった。



高橋は
あたしの大切な人だよ。
初めて『好き』を教えてくれた。
初めて好きになった人。
大好きなのに。
大好きなのに。



彼はあたしを
想ってくれていないの?



「じゃあ行くね。」


「あ…いってら。」




これ以上ここにいたら
あたしは
泣き出してしまいそうで
走って会議室まで戻った。





「やっぱ…好きなんかよ…。愁斗の事。」