「桜ヶ丘ー、ファイ!オー!ファイ!オー!ファイ!オー!」

大きな声が体育館に響く。

ボールをつく音に胸が興奮で高鳴る。

バスケ部が新歓のパフォーマンスを始める。

3on3。

鮮やかなパス。

華麗な3ポイントシュート。

メンバーの中に姉の姿を見つけて、誇らしく思う。

やっぱり、バスケ部っていいな。

早くバスケがしたいな。


「美月ちゃんって、バスケ部に入るんだよね。」

隣に座っていた真緒ちゃんが話しかけてきた。

「そうだよ〜。真緒ちゃんは決めた?」

「うち、まだなん。」

「じゃあ今日、見学一緒に行こうよ」


サッカー部やバレー部、たくさんの部活動紹介はどれも楽しかった。

でも、美月の心はバスケ部に決まっていた。


放課後

ミニバス時代の仲間と真緒ちゃんと体育館に向かう。

ランニングに準備体操。

パス練に速攻、ディフェンス。

見ているだけで、早く体を動かしたくなる。

2年生のマネージャーからざっと説明を受けて、この日は解散になった。


「美月ちゃん、私もバスケ部に入ろうかな」

「ほんと!?そうしようよ!バスケ楽しいよ」

真緒ちゃんの言葉に嬉しくなる。

自分が好きなことを、他の人も好きになってくれると嬉しいよね。



翌日

真緒ちゃんと一緒に入部届けを提出した。