「幸恵ちゃん!」

走っていってしまいそうな幸恵ちゃんに声をかける。

びっくりして怯えたような目をしている…

まさか、本当に告白されて逃げてきたんじゃ…

一抹の不安を覚えながら、恐る恐る声をかける。

「幸恵ちゃん?大丈夫?」

二人で近寄ると、大きく頷いて「渋井にコクられた…」と小さな声でいった。

よかった!!しぶちゃん告白できたんだ!

一気にテンションがあがる。

「なんて言われたのー?」

「好きです…って。」

「きゃー!良かったねー」
「で、で、なんて返事したの?」

美月とあすちゃんが興奮しながら問い詰めると、幸恵ちゃんの顔が真っ赤に染まる。

「私も好きです…って。」

「きゃー!」

思わず幸恵ちゃんに抱きつく。

「幸恵ちゃん、良かったね」

「あすちゃん、美月ちゃん、ありがとう。」

改まってお礼を言われて、嬉しくて感動してしまう。

不器用な二人だから、ちょっと心配だけど上手くいくといいな…

三人で手を繋ぎながら教室に戻る。

これから始まる明るい未来には、一点の曇りもないって信じて…