「あ、幸恵ちゃん。あすちゃんがちょっと話があるから倉庫にきてってさっき言ってたよ。」

「あすちゃんが?なんだろ」

「うーん。まぁ待ってるから行ってきたら?」

別段怪しむ様子もなく、幸恵ちゃんは倉庫へ向かう。

よかった…

もう、こんなドキドキすることしたくないー。

体育館の廊下のベンチに座って、幸恵ちゃんを待つ。

あすちゃんはトイレに隠れていたことを思い出して、迎えにいく。

「あすちゃん?」

トイレからあすちゃんが顔を出す。

「上手くいった?」

「まだわかんないけど、大丈夫だよね?」

「でも幸恵ちゃん、びっくりして逃げちゃいそう(笑)」

「ありえるー。そういや、あすちゃん、矢口先輩とはどうなった?」

「やっぱり付き合えないって言った。なんか先輩と恋愛してるところが想像できなくてさ。」

そっか。あすちゃん断ったんだ。

お似合いのカップルだと思ったけど、上手くいかないこともあるんだね…。

なんとなくセンチメンタルな気分でいたら、幸恵ちゃんが出てきた。