「美月!まだあの二人が付き合ってるかもわからないんだし、そもそも告白もしてないじゃない!まだ何も始まってないんだよ?」

普段のおっとりした亜依からは、思いもよらない強い口調で言われ、びっくりしてぽかんとしてしまう。

「あきらめるにはまだ早いよ!だからもう泣かないで!」

「亜依・・・」

また涙がでそうになるのをぐっとこらえる。

「ありがとう・・・亜依がいてくれて良かった。」

こらえても溢れてくる涙は止まらないけど、亜依は優しく笑って言う。

「大丈夫!美月なら大丈夫だよ!」

なんの根拠もないけど、そう言ってもらって勇気がわいてきた。

「うん!がんばる!すぐにはできないけど、いつか絶対告白する!」

「そうだよ!その意気だ!!!」

亜依に励まされ勇気がわいてくる。

笑いながら一緒に校舎をでる。



雨上がり、汚いものは全て洗い流されたかのよう。

澄んだ空気と、雨に塗れた葉っぱたち。

美月の心も洗い流されたかな。

これから先、何があるかわからないけど、私には亜依がいる。

それだけで気持ちが強くなれる。

私も何があっても亜依の味方でいよう。

これからもずっと、友達だよ。