試合終了のブザーがなる。

「きゃー!」

亜依と手を取り合い喜ぶ。

審判が桜ヶ丘中の勝ちを述べて、試合をしめる。

対戦チームのスタメンがベンチにくる。

「礼っ」

「ありがとーございましたっ」

拍手で迎え、お辞儀する。

桜中のスタメンも戻ってくる。

大きな拍手。

最後の市内大会を優勝できて、先輩たちはみな満足そうだ。

美月は感動で泣きそうだった。

隣を見ると亜依もうるうるしてる。

「すごかったよね!」

「うん!」

美月たちにとって、初めての大会。

市内のチームだけの小さな大会だけど、優勝するってすごい嬉しい。

自分達は応援しかできないけど、本当に誇らしい気持ちで一杯になる。

先生に促され、皆で保護者席へ挨拶に行く。

キャプテンの合図でお辞儀すると、温かい拍手がおこる。

感動でまたうるっとくる。

時間がおしているのか、感動にひたる余韻もなく表彰式の準備が始まる。

先輩の指示に従い、整列して待つ。

すぐに表彰式は始まり、会長の挨拶に続き表彰状が授与される。

「第一位、桜ヶ丘中学校」

手が痛くなるくらい思いっきり拍手する。

キャプテンが表彰状をもらい、副キャプテンの美月の姉がトロフィーを受け取る。

嬉しそうな二人の顔が、離れていてもわかる。

表彰式のあと、外にでて皆で記念撮影をする。

最高の笑顔の集合写真が、後日全員に配られた。