スタメンは三年生が三人、二年生が一人。

そして一年生でただ一人、ユニフォームをもらえた子。

梢ちゃんだ。

体育館メンバー選別のとき目立っていた子。

先輩ばかりの中で、プレッシャーや緊張もあるはずなのに、梢ちゃんのプレーは輝いていた。

キャプテンからのパスからカットインして、きつい体勢からシュートを打つ。

バスケの女神様が、梢ちゃんに微笑んだのか、ことごとくシュートが決まる。

残り一分。

一点差だ。

自然と梢ちゃんにボールは集まり、ディフェンスもきつくなる。

逆サイドにあいたスペースに呼ぶ声が聞こえる。

二年生の川田先輩だ。

キャプテンが梢ちゃんにパスするフェイントをして、川田先輩にパスする。

受け取った瞬間。

綺麗なフォームで、川田先輩がシュートを放つ。



一歩、ディフェンスは間に合わなかった。



シュポッ



綺麗にスリーポイントが決まる。

逆転した!

応援席がどっと沸く。

「ディフェンス!」

キャプテンの声が響く。

残り10秒。

「当たってけー!」

先生が叫ぶ。

5… 4… 3… 2… 1


ピピー