「二人とも早〜い」

「ここ座って!」

美月が幸恵ちゃんとの間を示すと、「はぁい」と可愛い声であすちゃんが返事する。

ちょこんと座ったあすちゃんに、尋問を開始する(笑)

「さぁ話してごらん」

「んー。別に矢口先輩が好きってわけじゃないんだけど…」

思わぬ発言に、幸恵ちゃんが真ん丸の目を見開いた。

「え!だってさっきあすちゃん、顔真っ赤だったよ?」

その言葉に、何かを思い出したのかまたあすちゃんが頬を染める。

「ねぇ…矢口先輩と何があったの?」

美月がそっと聞くと、小さい声であすちゃんが言った。

「あのね…」

「うん」

「実はね…」

「うん」

「…」

「もぉ〜、あすちゃん!はけー」

そう言って、美月があすちゃんをくすぐると、ケラケラ笑って「話すからやめてぇ〜」とあすちゃんが懇願してきた。

「あすちゃんがくすぐったがりなんて、みんな知ってるのよ。さぁはいちゃいなさい。」

「わかったよぉ。あのね…」