昼休み、幸恵ちゃんと明日香ちゃんと話していると、真緒ちゃんが近づいてきた。

なんだろう…

なんかやだな…

予感は的中した。

「美月ちゃん。ちょっといいかな」

「うん…」

席を外れ廊下にでる。

このところ、真緒ちゃんは全く練習に参加していなかった。

来ても、やる気もなさそうで、休憩になると座り込んで雑誌を読んでいた。

だから薄々感付いていた。

「美月ちゃん…うち、部活やめようと思って…」

やっぱり…

「そっかぁ…なんでやめちゃうの?」

一応引き止めた方がいいかな…

「もう少しすれば三年生も引退だよ?」

美月の言葉を俯きながら聞く真緒ちゃん。

しばしの沈黙のあと、ぱっと真緒ちゃんが顔を上げた。

「練習、まったくついていけないし、やっぱり真緒は運動部向いてないみたい…せっかく誘ってくれたのに、ごめんね。今から退部届け、出してくる…」

一気に話すと、真緒ちゃんは走って行ってしまった。

目で追っていると、早苗ちゃんの姿があった。

二人でやめちゃうんだ…

正直、真緒ちゃんはうざったかったけど、一緒に入部したし、退部の話はショックだった…

仕方ない…か…

心の中に少しだけ穴が空いた気がした。