「土田くぅ〜ん」

真緒ちゃんが甘えた声で土田くんを呼ぶ。

あれ…

なんかちょっとやだ。

何か今、ちょっとイラッときた。

でもそんなこと顔にはだせない。

土田くんの元へ走っていくと、隣には隆則の姿があった。

「清野。どうした(笑)」

土田くんが美月の姿を見つけて笑う。

呼び掛けたのは真緒ちゃんなのに、美月に話しかけてくれたことが、何だか嬉しい…

イラッとしたことも吹き飛んだ(笑)

でも全力疾走したから、息が上がって上手く話せない。

「ハァッ、ハァ」

「落ち着けよ」

楽しそうに美月を見ている。

「あのね…あっちに菜の花畑があったの…」

「そうなんだ。行ってみよっか」

土田くんは隆則を促して立ち上がった。

四人で歩きながら、カメラマンさんの話をする。

まだいるかな…

不安に思いながら戻ると、近くでカメラマンさんが撮影をしていた。

「良かったぁ」

真緒ちゃんがカメラマンさんを呼びにいく。

美月は土田くんと隆則に菜の花畑を見せる。

「おぉ〜。こんなところがあったんだ。」

隆則が感動の声を挙げる。

土田くんを見上げると、ぱっと美月を見つめてきた。