「お兄ちゃんが、〝にいじまちかい〟君……?」




……
ヤメテ、純。

その名前、言わないで…?




あたしは俯いて、手で耳を覆った。



「…は?〝にいじまちかい〟……?」



もちろん春野の名前は〝新島 誓〟ではない。

だから春野が困惑するのはあたりまえのこと。



これじゃぁ、春野に聞かれるじゃん…。
しかも同じ学校なんだから知ってるかも知れないじゃん。



でも春野は違った。



「んー…俺はね、春野カナタ」



「はるのかなた?」



いつも可愛くて大好きな純。

だけど今はちょっとうざい。