笑う誓。

…なんでだ?

……なんで俺にそんなに優しく、笑いかけてくれるんだ。





「別に喧嘩くらいいーよ。お前は喧嘩した後、絶対に後悔する人なんだから」




『……』




「お前は人の痛みを知ってる。お前自身苦しんでるから。だから、そんな顔すんな」




誓は俺の隣に座った。


手にはカイロを持っている。


それを俺の手に投げつけてきた。




『……』




「それ握っとけ…」




『………サンキュー…』




へへっとはにかんで笑う誓。

俺はそんな誓を見て、自然と笑えた。